隣の家の何十年も伸び続けていた木が切り株になってしまった。近所の人たちはみんな「良かったわね〜」と声を揃える。切った本人もそう思っているかはわからないが、小生は隣の木の葉の香が季節毎に違ったり色付いたり、都会の中にいて季節を感じる優しい気持ちになれる大好きな自然だった。

 烏やムクドリや雀には恰好の遊び場でもあった。その為に鳥の糞や枯れ葉の処理に近所の人々が嫌がっていたのである。雨樋いは枯葉が詰り、わざわざそのことを言いに小生に報告する余計なお世話のおばさん達もいた。

 本来、木は普通にこの大地に生え、枯葉も普通のことである。

 一つ一つの自然の情緒は都会の中では不自然なものに変わっていく。

都会から緑が減り、温暖化を危惧した行政で緑化を促進させる。そこには我々の税金が使われていくのだ。

自然にあったものを排除し、金でまた自然を取り戻そうとするという人間という生き物はなんて身勝手なんだろうか。

 隣の家の事情は別として、自然を有り難いものと感じられるには、悲しいかな、まだまだ壊され尽くさないと感じられないのかもしれない。

BANANA ICE for 下町兄弟